FreeBSD の安定状態の持続

原作: Jordan K. Hubbard .

訳: 岩崎 満 .

FreeBSD-stable ってなに?

FreeBSD-stable は, 次の本流のリリースを目指した新機能をあまり採り入 れない保守的な変更のための開発の支流です. 実験的またはテスト未完の変更 はこの支流には取り入れられません (最新の FreeBSD を追いかける 参照).

誰が FreeBSD-stable を必要としているの?

もしあなたが仕事で使用しているとか, なによりも FreeBSD システムの安 定性を最重要視するなら, stable を追いかけることを考えるべきで しょう. stable の支流は前のリリースに関して効果的にバグフィッ クスされた流れであるため, 最新のリリース ( 3.1-RELEASE 執筆時点) をインストールしているのであれば, 特に そうです.

Warning: stable ツリーが常に完全に互換性があり安定するように努力し ていますが, たまに間違いがあることに注意してください (結局, 内容が吟味 されずに素早く送られた変更を含むソースがまだあるのです). また, currentstable へ移行する前に完璧なテストフィック スに最善を尽くしますが, 私たちのテストはすべてのケースを十分に網羅して いるとは限りません. もし何か stable で不具合があるようでした ら, 私たちにすぐに教えてください (次の節参照).

FreeBSD-stable を使う

  1. FreeBSD-stable mailing list へ加わってください. このメーリングリスト では, stable の構築に関連する事柄や, その他の注意すべき点 に関する情報が流れています. また開発者は議論の余地がある修正や変更 を考えている場合に, このメーリングリストで公表し, 提案された変更に 関して問題が生じるかどうかを返答する機会を ユーザに与えます.

    また, メーリングリストでは, それぞれの変更がなされると 起こりうる副作用に関するすべての適切な情報と一緒に commit log を 読むことができます. subscribe しておきたいもう一つのメーリングリストです.

    メーリングリストに参加するには, へメッセージの本文に 次のように書いたメールを送ってください:

    subscribe freebsd-stable
    subscribe cvs-all
    

    オプションとして本文に `help' と書けば, Majordomo は私たちがサポー トする様々なメーリングリストに参加 / 脱退する方法に関する詳しいヘ ルプを送付します.

  2. もし, あなたが新しいシステムを可能な限り -stable に近いものにインストールしようとする場合には, 最新のブランチの snapshot を ftp://releng3.freebsd.org/pub/FreeBSD から取得し, これを一般のリリースのものと同様に インストールしてください.

    もし, 既に 2.2 系列の前のリリースが動いている場合で, これをソースからアップグレードしようとするならば, ftp.FreeBSD.ORG より簡単に これを行う事が出来ます. これには次の 3つの方法があります.

    1. CTM 機能を使用する. 転送レートが 安定している TCP/IP 接続でない場合は, この方法が適して います.

    2. cvsupこの supfile を用いて使用する. 一度コレクション全体を入手してしまえば, 前回からの変更部分だけですむので, 2 番目に推奨される方法です. 多くの人が cron から cvsup を実行し, 自動的にソースコー ドを最新の状態に保っています. これを簡単に扱うには次のようにタイプしてください.

      # pkg_add -f ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/development/CVSup/cvsupit.tgz
      
    3. ftp を使用する. FreeBSD-stable 用のソースツリーは 常に次のところで``公開''されています : ftp://ftp.FreeBSD.ORG/pub/FreeBSD/FreeBSD-stable

      私たちはまた, tar/compress でツリー全体を入手できる wu-ftpd を使用しています. 例えば :

      usr.bin/lex
      

      に対して:

      ftp> cd usr.bin
              ftp> get lex.tar.Z
      

      とすることにより, ディレクトリ全体を compress された tar ファイルとして入手することができます.

  3. 基本的には, ソースに迅速でオンデマンドなアクセスが必要で, 接続のバンド幅が問題でなければ, cvsupftp を使いましょう. そうで ない場合は CTM を使いましょう.

  4. stable をコンパイルする前に, /usr/src にある Makefile をよ く読んでください. 少なくとも一回はアップグレードの処理の一部として 最初に make world を実行するべきでしょう. FreeBSD-stable mailing list を読めば, 次のリリースに移行する に当たって時々必要となる既存システムからの 新システムの構築手順に ついての最新情報が得られるでしょう.