今より遥か遠い昔。 自らを魔王と名乗るものが、その邪悪な力によって世界を支配しようとした。 しかし、魔王の魔の手から世界を救うべく立ち上がった者達がいた。 勇者ラズワルドとその一行である。 彼らは長き旅路の末、ついに魔王を打ち滅ぼすことに成功する。 世界には平和が訪れた。 ―――だが、その平和も長くは続かなかった。
北の大陸ヴィーヌのエリュンクス山。 突如、その谷底より高密度の魔力が流出した。 北の王国ヴィーヌの国王が宮廷の魔導師を調査に向かわせところ、 谷底より発生した魔力は500年前封印された魔王のものとまったく同じであった。 500年の年月が流れた今、魔王が復活の兆しを見せたのだ。 その知らせを聞いた勇者伝説発祥の地、アズール大陸の王国ウルヴェンの王は、 勇者を選定する『選定の剣』を遣いの兵に託し、勇者を探し始める。
ところかわり、アズール大陸北西に位置する山にある村、クレトに住む青年セレスは、 母親の使いで薬草を採りに出かけた。 何一つ特別なことのなかった、その日。
偶然か、必然か。 このときから、一人の男とその酔狂な仲間達の織り成す世界救済活劇が幕を開けた―――。
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